診療内容

呼吸器疾患(肺がん、縦隔腫瘍、胸膜腫瘍、自然気胸、肺気腫、間質性肺炎など)の診断、治療。禁煙外来

診療の特色

  1. 肺がんの早期発見、診断、治療に力を入れております。治療は手術ばかりではなく、進行度に合った標準的かつ集学的治療を行っております。
  2. 肺がんや自然気胸、肺良性腫瘍、縦隔腫瘍などに対しては、積極的に胸腔鏡下手術を行っております。


国内民間病院初
「早期肺がん治療に絶大な効果」
PDT(光線力学的レーザー治療)

主な検査、医療設備

気管支鏡検査
肺がんをはじめとする気管支病変の診断を電子内視鏡で行っております。

自家蛍光気管支鏡検査
自家蛍光気管支鏡検査とは : 正常気管支は450nmの(青色領域)波長光で励起すると、520nm程度の(緑色領域)波長を有する自家蛍光を発しています。しかしがん病巣や異型病変での自家蛍光は有意に減弱しています。この自家蛍光の差を観察して病変を診断するものです。
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経気管支肺生検(TBLB)
気管支鏡で直接観察することの出来ない肺の末梢病変の確定診断を得るための検査です。透視のできるX線撮影装置を併用し病巣の組織、細胞を採取します。

経皮針肺生検
TBLBでも検体採取困難な肺の末梢病変に対して、経皮的に細い針を穿刺して細胞を採取する方法です。X線CTを併用することにより、末梢小型肺がんの確定診断を得るのに有用な方法です。

CT肺がん検診
がんの死亡率(年齢調整死亡率)は男女とも大きく上昇しており、昭和30年と比較すると平成13年では男性は5.8倍、女性は4.4倍となっています。
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主な疾患

原発性肺がん
肺がんとは、呼吸をするための重要な臓器(ぞうき)である肺や気管支からできるがんです。
肺がんはがん細胞の形により、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、小細胞がんの4種類に大きく分けられます。
→ 肺がんの疫学資料(PDF)

転移性肺腫瘍
転移性肺腫瘍(しゅよう)とは、大腸がんや胃がんなどの原発がんが、肺に転移したものです。大腸がんや、直腸がん、腎臓がん、骨軟部腫瘍、精巣腫瘍など原発がんの種類によっては切除手術の効果が期待できるがんもありますが、胃がん、乳がん、膵臓がん、食道がんなど手術の効果が期待しづらいがんもあります。

良性肺腫瘍
肺や気管支に発生する良性の腫瘍のことを良性肺腫瘍といいます。
良性肺腫瘍の頻度は低いのですが種類は多く、比較的多いものは過誤腫(かごしゅ)や硬化性血管腫で、他にも脂肪腫、平滑筋腫、軟骨腫などがあります。一般的に無症状で、大きくなる速度も遅く、ほかの臓器に転移することはありませんが、腫瘍ができた部位によっては、せきやたんの原因になったり、肺炎などを起こすこともあります。また、肺がんなどの重大な病気と見分けがつきづらい場合もあり、手術を勧めすることもあります。
→  ハイビジョン胸腔鏡下手術

自然気胸
20歳代のやせた男性に多く、肺の一部がのう胞状にふくらみ(ブラ)、そこが破裂して肺から空気がもれて息苦しくなる病気です。この病気は、軽症であれば安静にして様子を見ますが、程度が強い場合は胸腔(胸の内)に細い管を入れて肺からもれた空気を抜きます。但し、約50%の再発の可能性があり、肺から空気がもれ続けたり再発を繰り返す時は手術治療が必要になってきます。
→  ハイビジョン胸腔鏡下手術


巨大肺のう胞
巨大肺のう胞(ジャイアントブラ)が胸腔内に存在し、正常な肺を圧迫して、呼吸困難、胸痛等の症状を引き起こします。また、肺がんを合併しやすいので注意が必要です。巨大肺のう胞が胸腔内の1/2以上を占拠するか、呼吸苦や息切れなどの症状がある場合や、巨大肺のう胞の増大を認める時は手術治療を勧めます。
→  ハイビジョン胸腔鏡下手術

縦隔(じゅうかく)腫瘍
左右の肺にはさまれ、下は横隔膜、前後は骨で囲まれた部分にできる腫瘍です。胸腺腫(きょうせんしゅ)、神経原性腫瘍、気管支のう胞、心膜のう胞、縦隔内甲状腺腫、奇形腫、悪性リンパ腫などがあります。悪性奇形腫(胚細胞腫)と悪性リンパ腫では化学療法、放射線療法が主体ですが、他の縦隔腫瘍の多くが、手術治療を第1選択にします。
→  ハイビジョン胸腔鏡下手術

胸膜中皮腫(ちゅうひしゅ)
肺と胸壁(胸の壁)の内側を覆っている膜を胸膜(きょうまく)といいます。この胸膜をおおっている中皮細胞からできた腫瘍が中皮腫(ちゅうひしゅ)です。良性のものは、限局性(1ヶ所にかたまっている)で命に関わることはまずありません。一方、悪性のものはびまん性(広がっている)で、非常に予後不良であることが多いです。その原因のほとんどは、昨今社会問題にもなっているアスベスト(石綿)ですが、アスベストを吸い込んでから約20~40年たって悪性中皮腫が発生します。中皮腫の診断は難しく、胸腔鏡下生検による組織診断が最も有効であると言われています。悪性胸膜中皮腫の治療には、手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)及び対症療法があります。

胸壁腫瘍
胸壁は、肋骨(ろっこつ)や肋軟骨(ろくなんこつ)や筋肉などからなり、ここにできた腫瘍を胸壁腫瘍といいます。
良性、悪性さまざまな腫瘍があり、良性のものは骨軟骨腫、線維腫などで、悪性のものは骨肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、転移性腫瘍などです。治療は、腫瘍の切除手術および必要に応じて胸壁を切除し、さらに胸壁の再建手術を行います。

医師紹介

宮島 邦治(みやじま くにはる)
役職呼吸器外科部長
専門呼吸器外科
認定医等医学博士、東京医科大学第一外科講師、米国テキサス大学留学、日本外科学会外科専門医・指導医、日本胸部外科学会胸部外科認定医、日本呼吸器外科学会呼吸器外科専門医・評議員、日本呼吸器内視鏡学会呼吸器内視鏡専門医・指導医、日本臨床細胞学会細胞診専門医・評議員、日本甲状腺外科学会内分泌・甲状腺外科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本がん治療認定機構がん治療暫定教育医・認定医、肺がんCT検診認定機構肺がんCT検診認定医、身体障害者指定医(呼吸器機能障害)、気管支鏡専門医、気管支鏡指導医、教育研修指導医、埼玉県緩和ケア研修会
患者様へ肺がんを中心とした、呼吸器外科を専門にしています。東京医科大学での治療経験と留学中に培ってきた癌遺伝子解析等の知識を生かし、患者様が不幸にして罹患してしまった肺がんの早期発見に努め、手術療法及び抗がん剤治療、分子標的治療などの学術的治療を行い、肺がんの克服に努めたいと思っています。その他、良性肺腫瘍、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、気胸、胸壁・胸膜腫瘍などの呼吸器疾患全体に対し、正確に診断するとともに、エビデンスに基づく治療を行います。いつでも、お気軽にご相談下さい。
木村 雅一(きむら まさかず)
役職緩和ケア科部長
専門呼吸器外科、緩和ケア科
認定医等医学博士、日本外科学会外科専門医・指導医、日本呼吸器外科学会呼吸器外科専門医・評議員、日本呼吸器外科学会胸腔鏡安全技術認定医、日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了、緩和ケアの基本教育に関する指導者研修会修了
加藤 治文(かとう はるぶみ)
役職顧問
専門呼吸器外科
認定医等医学博士、東京医科大学名誉教授、日本臨床細胞学会細胞診専門医・指導医・元理事長、日本呼吸器外科学会呼吸器専門医・呼吸器外科指導医、日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医、日本胸部外科学会胸部外科指導医・元理事、日本外科学会外科専門医・元理事、呼吸器外科専門医合同委員会呼吸器外科専門医、日本レーザー医学会レーザー専門医・元理事長、レーザー指導医、元国際細胞学会理事長、元国際肺癌学会理事長、元日本肺癌学会理事長
患者様へ肺がんを早期に見つけ早期に治してしまうことをモットーとしています。
低侵襲、安全の治療を心掛けています。
加藤 大明(かとう ひろあき)
石川 里奈子(いしかわ りなこ)
専門呼吸器疾患
認定医等医学博士日本内科学会内科認定医・日本呼吸器学会呼吸器専門医
患者様へ病と向き合う患者さまに寄り添える医療をこころがけていきます。

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