乳腺・内分泌外科は、女性に優しい診療科を目指しています。
診療内容
乳がん、甲状腺がんをはじめとする乳腺・内分泌疾患の診療を行います。
乳がん | 近年急速に増加し、2025年までに罹患が日本人女性で最も多いがんになると言われています。2001年に乳がんで亡くなった女性は9,654人(厚生労働省 人口動態統計)であり、その半数は40代後半から60代前半で占められています。 社会的に最も重要な年齢の女性が、乳がんになるにもかかわらず、乳がんに対する関心が低く、異常に気付いた時には進行がんになっていることが多い状況です。 当科では、マンモグラフィー(乳腺撮影)、乳腺エコー・MRI・CTにより早期発見に努めています。早期に発見された乳がんは、乳房を残すことも可能です。 |
甲状腺がん 副甲状腺機能疾患 バセドウ病 | 甲状腺がんの罹患は、約12,000人/年です。性別は女性に多く、男性の約3倍です。年齢では50代、40代、30代の順に多くなっています。 首の腫れや首のしこりをふれる等の症状のある方、他院で異常を指摘された方などは、受診をお勧めします。触診・採血検査・甲状腺エコーなどの検査を実施します。 |
特色
乳がん・甲状腺がんと診断を受けて心配されている方へ
検診実績の豊富な医師が主治医になります。
- 2020年度マンモグラフィー実績:年間 2,175件。(検診・その他:1,824件、外来:351件)
- マンモグラフィーの読影:マンモグラフィー読影認定医が読影します。
豊富な手術実績があります。
- 乳がんの標準治療(手術経験数700件以上)
- 甲状腺がんの診断および治療(手術経験数2,000件以上)
- 甲状腺がんの多くは、手術により良好で予後良好です
- バセドウ病と副甲状腺の外科治療
乳がんの治療について
早期発見のため専門医機関での検診が大切です
専門医による診察は、触っただけでは気づかない小さな異常に気付くことができます。乳がんでは、早期の発見ができれば助かる確率がグンと上がり、乳房を温存することができます。
乳房部分切除後には放射線外照射療法が必要です
リニューアル(2020年3月)された放射線治療を受けてみませんか。

乳房部分切除後の放射線治療は、戸田中央総合病院『放射線治療センター』にて継続した治療ができます。
同センターは、放射線治療装置TrueBeam(VARIAN社製)を導入。緻密で精度の高い治療計画が立案できるよう放射線治療計画装置を2台と呼吸同期に対応した大口CTシュミレータを完備して対応します。
また、放射線治療装置は、体表面光学的ポジショニングシステムAlignRT(VisionRT社)と高精度カメラにて、患者さんの動きをモニタリングすることで正確で安全な照射ができるようになりました。このシステムの大きなメリットは、患者さんの体に書く印を大幅に低減することができ、特に体表面に照射する乳がんの患者さんにストレスなく優しい放射線治療が行えます。
戸田中央総合病院『放射線治療センター』
送迎車両を運行しています
当院発着で戸田中央総合病院(埼玉県戸田市)を往復する送迎車両を運行しています。詳しくは、外科外来窓口または乳腺内分泌外科主治医へご相談ください。
甲状腺がんの治療について
甲状腺がんの多くは、手術により良好で予後良好です。頸部にしこりのある方は、受診してください。
糖尿病・内分泌内科と連携して、治療を行っています。
日本内分泌外科学会専門医制度認定施設
2021年3月15日から日本内分泌外科学会専門医制度認定施設に承認されました。
甲状腺の疾患手術は繊細な領域で、難易度の高い手術になりますので、内分泌外科専門医による手術をお勧めします。
当科は、経験や臨床実績などの評価を受け、この度、日本内分泌外科学会専門医制度認定施設として認められました。
2020-2021年乳腺内分泌外科症例統計
経験症例 | 2021 | 2020 |
---|---|---|
マンモトーム生検 | 37 | 21 |
乳腺 針生検 | 8 | 7 |
穿刺吸引細胞診 | 2 | 36 |
甲状腺穿刺吸引細胞診 | 68 | 81 |
乳がん (診断) | 34 | 33 |
甲状腺がん(診断) | 8 | 15 |
乳腺内分泌外科手術一覧 (総数) | 54 | 53 |
乳腺疾患総数 | 22 | 16 |
乳がん | 22 | 15 |
内分泌疾患総数 | 32 | 37 |
甲状腺乳頭がん | 6 | 11 |
甲状腺濾胞がん | 2 | 2 |
甲状腺濾胞性腺腫 | 1 | 3 |
バセドウ病 | 3 | 3 |
腺腫様甲状腺腫 | 5 | 4 |
縦隔内甲状腺腫 | 7 | 2 |
原発性副甲状腺機能亢進症 | 6 | 9 |
その他 | 2 | 2 |
毎年、当院でも乳腺疾患、甲状腺疾患の患者さまが増加傾向にあります。
(代表的疾患を赤字、増加数を太字にしています。)
対象となる症状・所見
乳腺疾患 | 自分で触れて気になるしこりがある場合や気になる症状がある場合は、検診を待たずにご受診ください。 |
甲状腺疾患 | 初期にはほとんど症状はありません。 首の腫れや首のしこりをふれる場合や気になる場合は、ご受診ください。 |
女性の患者さまに安心して診察を受けていただけるめに
主治医は、男性医師になります。
女性患者さまの気持ちを大切にすることを、医師をはじめスタッフ一同、常に心がけています。不安なことは、どんなことでもご相談ください。
マンモグラフィー・超音波検査は女性技師が担当しています。

乳腺・内分泌外科ではチーム医療を大切にしています。
医師、看護師、化学療法室、検査技師、放射線科のチームでスムーズな診療を行っています。
医師紹介
長嶋 隆(ながしま たかし)
役職 | 外科統括顧問 |
専門 | 乳腺・内分泌外科 |
認定医等 | 認定外科医、外科専門医、外科指導医、消化器外科認定医 消化器外科指導医、臨床検査管理医 マンモグラフィ読影認定医 |