睡眠時無呼吸症候群SAS外来
【目次】
「睡眠時無呼吸症候群」はどのような病気か
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まる状態が何度もおこり、それが毎晩繰り返されている病気です。睡眠中のことなので自覚しにくいという特徴があり、多くは一緒に寝ている家族などから「いびきがうるさい」「息が止まっている」と指摘されます。中には苦しくなって目が覚めることで異常を自覚する人もいますが、自覚しにくいという特徴から病院を受診せず、実際の有病率よりも診断率はとても低いといわれています。
睡眠時無呼吸症候群の症状は、いびきや呼吸停止が特徴的ですが、睡眠中の酸素不足により熟睡できないことから、起き抜けの頭痛や熟睡感の低下、日中の倦怠感や疲れ、集中力の低下、運転中や仕事中、会議中の居眠りなど、生活に支障が出てくるようになります。また、血圧上昇、動悸、抑うつ、インポテンツなどの症状が出現することがあります。睡眠中はいびきや呼吸停止を自覚できないことも多いですが、中には苦しくなって起きたり、悪夢をみたりすることがあります。トイレに起きる回数が多いというのもしばしばみられる症状です。
治療をおこなうメリット
睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病のリスクを上昇させ、高血圧は2倍、狭心症などの冠動脈疾患は3倍、心筋梗塞や脳血管疾患の危険性は4倍といわれています。厚生労働省によると、睡眠1時間あたりの無呼吸や低呼吸回数が20回以上の場合、8年後の生存率は63%という報告があります(図1)。
高血圧症や心臓病などの循環器疾患にかかっている患者さんの睡眠時無呼吸症候群の有病率も高く、心不全患者さんの7割以上に合併し、高血圧症の内服治療がなかなか効かない場合、8割近くがこの病気にかかっているといわれています(図2)。
1979年のスリーマイル島原子力発電事故、1986年のスペースシャトルチャレンジャー号爆発事故、1989年のアラスカ沖石油タンカー座礁事故などは、いずれも睡眠障害が関係して発生したといわれている有名な事故です。 その後の調査で多数の交通事故に睡眠障害が関連していることが明らかとなり、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群がある場合の運転事故率は健常者の7倍であることがわかっています(図3)。
診療の特色
睡眠時無呼吸症候群の検査は、夜間に自宅でおこなう外来簡易検査と、1泊入院の精密検査をご相談しながら状況やご希望にあわせておこないます。また、鼻やのどの病気が疑われた場合には必要に応じて原因を調べます。そして、睡眠時無呼吸症候群に関連する循環器病の状態を調べることもできます。ご本人の生活スタイルなどを考慮しながら、生活指導もあわせた診療をおこないます。
中等症~重症: 治療適応の方にはCPAP治療(持続陽圧呼吸療法)をメインに、必要時はそのほかの治療もくみあわせておこないます。
軽症~中等症:CPAP治療が保険適応外で実施できない軽症~中等症患者様にも、現状の把握をおこない可能な治療方法をご提案いたします。また、個々の生活スタイルに応じた改善策のご提案を心がけています。
医師紹介
榎本 睦(えのもと むつみ)
専門 | 不整脈診療、心臓リハビリテーション、循環器医療機器の遠隔モニタリング診療、睡眠時無呼吸症候群のCPAP治療 |
認定医等 | 日本内科学会認定総合内科専門医、日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医・指導医、厚生労働省認定臨床研修指導医、日本心臓リハビリテーション学会認定リハビリテーション指導士、日本睡眠総合検診協会認定 CPAP療法士上級者、基本的心不全緩和ケアトレーニングコース(HEPT)修了 |
患者様へ | ヒトの健康な生活は「良好な睡眠、バランスのとれた食事、適切な運動(活動)」でなりたっています。睡眠時無呼吸症候群という睡眠障害は、生活の根幹である睡眠が脅かされ、生活の質を低下させ、さらには上に述べたような様々な障害を引き起こします。睡眠時無呼吸症候群の治療は、CPAP機器の装着や継続が苦痛と思われがちですが、効果が非常に高く体内に入れるものは空気だけであるため、内服薬よりもからだにやさしい治療です。継続して治療していけるように状態をききながら対応していますので、困ったことがあったらいつでもご相談ください。気になる症状があったら、まずは受診してみてください。 |
稲垣 景己(いながき けいこ)
所属医局 | 明理会中央総合病院 |
外来担当医表
更新日時:2024/05/01
青文字:男性医師、赤文字:女性医師
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
午前 8:00~11:30 診察開始 9:00~ | – | – | – | 榎本 | – | – |
完全予約制となっております
休診・代診
お問い合わせ先
電話:048-474-7211
FAX:048-472-7581
診察受付時間
平⽇8:00〜11:30、12:30〜16:00
⼟曜8:00〜11:30
休診⽇
土曜(午後)・⽇曜・祝⽇・年末年始