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2022年2月

 病棟の所属長として勤務し、育児休暇後に専任の認定看護師として復帰をされた磯部主任にインタビューさせていただきました。(´艸`*)

 

 

<認定看護師取得のきっかけ>

肺炎で入院されたAさんとの出会いがきっかけです。

 入院後から、夜間の不眠や点滴の自己抜去、大声で叫ぶなどの症状が強くみられ、身体拘束も必要でした。誤嚥のリスクが高く、今後は胃ろうを造設する方向でした。

  Aさんの受け持ちになった際、はじめは意味もなく叫んでいると思っていましたが、ゆっくり話をする中で「御飯が食べたいんだよ!」と言っていることに気付きました。元々難聴があり、脳梗塞の後遺症による呂律障害もあったAさんは、自身の思いを適切に表現することが難しかったのです。それと同時に、Aさんからのサインに、こちらが気付けていなかったことを反省しました。STさんと情報共有を行い、病棟看護師もできるリハビリを行うなど皆で取り組み、Aさんは食事が摂れるまでに回復しました。このAさんとの関りを通し、もっと認知症に関する知識や技術を深めることができれば、認知症で苦しむ患者さんの力に少しでもなれるかもしれないと思い、認定看護師を志しました。

 

<認定看護師のやりがい>

認知症のBPSD(行動心理症状)によって混乱等を来していた患者さんが、症状が落ち着くことで、本来の「その人らしさ」が発揮されたときです。

 

<現在の活動について>

認知症ケアチームとして、医師、MSW、薬剤師、管理栄養士、OT、事務など多職種の方とカンファレンスやラウンドを行い、ケアの方向性を検討したり認知症の研修を行っています。現在は中止となっていますが、リハビリテーション科が主体となって行っている認知症カフェ「こぶしカフェ」の企画・運営も行っています。

 

<子育てと仕事の両立について>

復帰前は両立できるか不安でしたが、上司や同僚から温かい言葉をかけてもらい、安心して復帰することができました。子供の具合が悪い時も看護休暇を取得でき、職場環境に恵まれていることを実感しました。職場に保育室があるので、何かあった時にすぐに行くことができ、安心して仕事ができています。

 

<これからの目標について>

認知症のある患者さんはBPSDやせん妄など、私たちが「問題行動」として捉えている症状に目がいきがちですが、そういった症状を起こさないで過ごせている方も多くいます。「成功事例」を積み重ね、多職種で共有できる機会を多く作っていきたいと思います。

 

<看護学生の皆さんへ>

当院には認知症看護分野含め、7分野7名の認定看護師がいます。研修や活動のことも相談でき、自身の活動につなげられています。TMGでも同じ分野の「分野会」があり、年に数回活動内容などの情報交換や、困ったときには相談させてもらっています。現在はこの分野会で、「認知症ケアマニュアル」を作成しています。一人では行き詰っていたかもしれませんが、このようなつながりがあることで、自身のモチベーションアップにもつながっています。各分野で研修も行っており、専門性のある看護を学ぶ機会がたくさんあります。ぜひ、一緒に看護を深めましょう!

 

認知症看護認定看護師 磯部絵美

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